



新藤兼人賞とは
日本映画の独立プロによって組織される日本映画製作者協会に所属する現役プロデューサーが
その年度で最も優れた新人監督を選びます。完成度や将来性のみならず、
「この監督と組んで仕事をしてみたい」 「今後この監督に映画を作らせてみたい」
というプロデューサーの観点を含む日本で唯一の新人監督賞です。
本年27年目を迎える本賞は「新人監督たちを発掘、評価し、
今後の日本映画界を背負ってゆく人材を育てたい」というプロデューサー達の思いから1996年に
「最優秀新人監督賞」として始まり、2000年より“日本のインディペンデント映画の先駆者”である
新藤兼人監督の名前をいただき現在の名称となりました。
受賞者には新藤監督デザインのオリジナルトロフィーと、副賞として
金賞には賞金50万円並びにUDCast賞※、銀賞には25万円を贈呈いたします。
(2022年度は201作品が選考対象となりました)
※ UDCast賞:Palabra株式会社より、金賞受賞作のバリアフリー版制作及びUDCastを提供。
受賞作がバリアフリー化されている場合は、金賞受賞監督の次回作に提供。

プロデューサー賞
“優秀な作品の完成に貢献を果たしたプロデューサーや企画者”の功績を称えることで
映画製作者への刺激を与え、日本映画界の活性化に繋げたいという願いから
2005年にプロデューサー賞は18回目を迎えます。受賞者には正賞のクリスタルトロフィーと、
副賞として賞金50万円を贈呈いたします
対象作品選考規定
【金賞・銀賞】
・前年12月〜本年11月公開の劇場用実写長編映画(60分以上)
・監督がデビュー(劇場公開長編実写映画)から3作品目以内であること
(アニメ、及びオムニバス作品の一編は作品数にカウントしない)
※公開とは有料で劇場及びホールで1週間以上有料上映された事を意味する。
※オムニバス映画の一編を監督した場合は作品数に含まない。
※アニメーションは作品数に含まない。
【プロデューサー賞】
・前年12月〜本年11月公開の劇場用実写長編映画(60分以上)
2022年度
審査委員会
金賞・銀賞
協会所属の現役プロデューサーで構成される審査委員会にて討議を重ね、金賞、銀賞の受賞者を決定。
審査委員長
古賀俊輔
KOGA Shunsuke

2007年株式会社ザフール設立。主なプロデュース作品は『私立探偵濱マイク』劇場三部作とTV連続ドラマ、『デンデラ』(‘11/天願大介監督)、『おしん』(’13/冨樫森監督)、Netflixオリジナルドラマ『火花』(‘16/廣木隆一総監督ほか)、『ナラタージュ』(’17/行定勲監督)、劇場版『火花』(‘17/板尾創路監督)、『殿、利息でござる』(’16/中村義洋監督)『多十郎殉愛記』(‘19/中島貞夫監督)、『劇場』(’20/行定勲監督)、『#ハンド全力』(‘20/松居大悟監督)、『ばるぼら』(’20/手塚眞監督)、『Pure Japanese』(’21/松永大司監督)。最新作は『母性』(’22/廣木隆一監督)、『ひとりぼっちじゃない』(’22/伊藤ちひろ監督/23年3月公開)、『遠いところ』(’22/工藤将亮監督・東京フィルメックス2022コンペ作品/23年6月公開予定)。
ザフール
/
審査委員
佐藤美由紀
/
オフィス・シロウズ
SATO Miyuki

1993年の設立時よりオフィス・シロウズに参加し、『空がこんなに青いわけがない』(93/柄本明監督)以降のシロウズ作品の制作に携わる。初プロデュース作品は『20世紀ノスタルジア』(97/原將人監督)。主なプロデュース作品として『ナビィの恋』(99/中江裕司監督)、『柔らかな頬』(01/長崎俊一監督/BS-i)、『ホテル・ハイビスカス』(02/中江裕司監督)、『コンセント』(02/中原俊監督)、『ルート225』(06/中村義洋監督)、『キツツキと雨』(11/沖田修一監督)、『モヒカン故郷に帰る』(16/沖田修一監督)、『川のほとりで』(21/平山秀幸監督/WOWOWドラマW)、『子供はわかってあげない』(21/沖田修一監督)など。
永井拓郎
NAGAI Takuro

1977年石川県生まれ。キャスティングアシスタント、俳優のマネージメントを経て、2004年RIKIプロジェクト参画、2016年代表取締役就任。主なプロデュース作品は『ひゃくはち』(’08/森義隆監督)、『ぼくたちの家族』(’14/石井裕也監督)、『聖の青春』(’16/森義隆監督)、『ねことじいちゃん』(’19/岩合光昭監督)、『ある船頭の話』(’19/オダギリジョー監督)、『生きちゃった』(’20/石井裕也監督)、『私をくいとめて』(’20/大九明子)、『茜色に焼かれる』(’21/石井裕也監督)、『アジアの天使』(’21/石井裕也監督)、『死刑にいたる病』(’22/白石和彌監督)、『川っぺりムコリッタ』(’22/荻上直子監督)等。
/
RIKIプロジェクト
三宅はるえ
MIYAKE Harue

『LOVE MY LIFE』(06年/川野浩司監督)以降映画プロデュースを手掛ける。主なフィルモグラフィに『イン・ザ・ヒーロー』('14/武正晴監督)、『最後の命』('14/松本准平監督)、『at Homeアットホーム』('15/蝶野博監督)、『世界は今日から君のもの』('17/尾崎将也監督)、『KOKORO』('17/ヴァンニャ・ダルカンタラ監督)、『あの日のオルガン』('19/平松恵美子監督)、『王様になれ』('19/オクイシュージ監督)、『閉鎖病棟-それぞれの朝-』('19/平山秀幸監督)、『アイヌモシリ』('20/福永壮志監督)、『樹海村』('21/清水崇監督)、『ホムンクルス』('21/清水崇監督)、『牛首村』('22/清水崇監督)。公開待機作に『山女』(’23/福永壮志監督)などがある。
ブースタープロジェクト
/
プロデューサー賞
協会加盟社からの推薦を募り、理事で構成される選考委員会にて受賞者を決定。
第27回 授賞式
日時: 2022年 12月 2日(金) 13:00〜14:00
会場:如水会館 2Fスターホール
主催:協同組合 日本映画製作者協会
特別協賛:東京テアトル株式会社
協賛:
松竹株式会社 東宝株式会社 東映株式会社 株式会社KADOKAWA 日活株式会社
日本映画専門チャンネル 株式会社WOWOW 株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービス 株式会社U-NEXT 株式会社ファンテック Palabra株式会社 日本テレビ放送網株式会社
株式会社テレビ朝日 株式会社TBSテレビ 株式会社テレビ東京 株式会社フジテレビジョン
後援:文化庁
(千代田区一ツ橋 2-1 tel:03-3261-1101)
2022年度
最終選考監督/作品
選考対象201作品の中から10名(10作品)が最終選考監督に選ばれました
受賞者は11月21日に発表いたします。
(敬称略/劇場公開順)
片山慎三 『さがす』
のん 『Ribbon』
川和田恵真 『マイスモールランド』
満若勇咲 『私のはなし 部落のはなし』
加藤拓也 『わたし達はおとな』
早川千絵 『PLAN75』
森井勇佑 『こちらあみ子』
村山和也 『とら男』
淺雄望 『ミューズは溺れない』
竹林亮 『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
受賞者には、正賞として故・新藤兼人監督デザインのオリジナルトロフィーと、副賞として、
金賞には賞金50万円ならびにUDCast賞(※1)、銀賞には賞金25万円を贈呈します。
※1 UDCast賞:Palabra株式会社より、
金賞受賞作のバリアフリー版制作及びUDCastを提供。
受賞作がバリアフリー化されている場合は、金賞受賞監督の次回作に提供。
2022年度
新藤兼人賞
選考結果発表
2022年度
第27回新藤兼人賞受賞結果

金賞

『こちらあみ子』
劇場公開日:2022年7月8日
監督/脚本:森井勇佑
原作:今村夏子 音楽:青葉市子 企画・プロデューサー:近藤貴彦 プロデューサー:南部充俊、飯塚香織 撮影・照明:岩永洋 録音:小牧将人 美術:大原清孝 編集:早野亮 衣裳:纐纈春樹 ヘアメイク:寺沢ルミ 整音:島津未来介 音響効果:勝亦さくら スチール:三木匡宏 助監督:羽生敏博 タイトルデザイン:赤松陽構造 出演:大沢一菜、井浦新、尾野真千子、奥村天晴、大関悠士、橘高亨牧、播田美保、黒木詔子、一木良彦 協賛:PBU株式会社、有限会社和光工業、株式会社杉本酒店、都北運輸株式会社、恵泉グループ、famile soin、やまだ屋 製作:ハーベストフィルム、エイゾーラボ、アークエンタテインメント、TCエンタテインメント、筑摩書房、フューレック、グランマーブル
製作プロダクション:ハーベストフィルム、エイゾーラボ 配給:アークエンタテインメント
〔2022/日本/104分/カラー/ヨーロピアンビスタサイズ/5.1ch/ドラマ/デジタル〕© 2022『こちらあみ子』フィルムパートナーズ
『こちらあみ子』
森井勇佑
監督・脚本
YUSUKE MORII
主人公は、広島に暮らす小学5年生のあみ子。少し風変わりな彼女のあまりに純粋な行動が、家族や同級生など周囲の人たちを否応なく変えていく過程を鮮やかに描き出す『こちらあみ子』。原作は「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞した今村夏子が、2010年に発表した処女作「あたらしい娘」(のちに「こちらあみ子」に改題)。本作で太宰治賞、三島由紀夫賞をW受賞して以降、新作を発表するたびに現代文学ファンの間で大きな話題を呼んでいる。主人公のあみ子を演じるのは、応募総数330名のオーディションの中から見いだされた新星・大沢一菜(おおさわ・かな)。演技未経験ながら圧倒的な存在感で“あみ子の見ている世界”を体現し、現場の自由な空気の中でキャラクターをつかんでいった。両親役には、日本を代表する俳優である井浦 新と尾野真千子。原作と出会って以来、映画化を熱望してきた監督が、原作にはないオリジナルシーンやポップでグラフィカルな映像描写で新たな風を吹き込み、念願の監督デビューを果たす。そして、繊細な歌声とやわらかなクラシックギターの音色で聴く者を魅了し続け、国内だけでなく海外からも人気を集める音楽家、青葉市子が音楽を手がける。
【ストーリー】
あみ子はちょっと風変わりな女の子。優しいお父さん、いっしょに遊んでくれるお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生のり君、たくさんの人に見守られながら元気いっぱいに過ごしていた。だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていくことになる。誕生日にもらった電池切れのトランシーバーに話しかけるあみ子。「応答せよ、応答せよ。こちらあみ子」―――。奇妙で滑稽で、でもどこか愛おしい人間たちのありようが生き生きと描かれていく。

森井勇佑 プロフィール
1985年兵庫県生まれ。日本映画学校 映像学科(現 日本映画大学)を業後、映画学校の講師だった長崎俊一監督の『西の魔女が死んだ』(08)で、演出部として映画業界に入る。以降、主に大森立嗣監督をはじめ、日本映画界を牽引する監督たちの現場で助監督を務め、本作で監督デビュー。
森井勇佑コメント
こんにちは。『こちらあみ子』の監督の森井です。はじめまして。とても素敵な賞を頂けて嬉しく思っております。この映画を去年の夏に作ったんですけれども現場が楽しくて本当に人生で今まで生きてきた中で一番楽しかった時間だったんですけど、それが終わってしまって仕上げやったりとか音付けていったりとかする中で終わってしまって凄い寂しかったんですけど、その寂しかったのも段々、仕上げをやっていく中で癒えてきたんですが映画が公開するとなった今年の7月にまた映画がどこかへ行ってしまうのかと思うと寂しくなりまして……そういう時間を過ごしていました。なんでこんなに楽しくて寂しい気持ちになるのかということを考えたりしてたんですけど、それは本当にスタッフ・キャストみんながもうこれ以上無いくらいにギッチリ、ピタッとはまったと言いますか、最高のメンバーだったなということを凄く思いました。現場のスタッフだけでなく、宣伝、配給含め全行程で、僕は監督という立場なので頭からケツまでずっといましたけれども、凄くいい関係が築けたんではないかな、と思っています。映画を豊かにするというものの根底にはそういう人と人との間の豊かさみたいなものがすごく大事なんだなということを思う作品でした。そういうのが移っているんだと思います。今後もこのような賞を頂いたので頑張りたいと思うんですが、人と人との間の豊かさ、豊かな時間を過ごせることを目指して大事にしていきたいなと思っております。本日はどうもありがとうございました。
銀賞

『マイスモールランド』
監督/脚本
川和田恵真
EMMA KAWAWADA
『マイスモールランド』
劇場公開日:2022年5月6日
監督・脚本:川和田恵真 製作:河野聡、小林栄太朗、潮田一、是枝裕和、依田巽、松本智 エグゼクティブプロデューサー:濵田健二 企画プロデューサー:北原栄治 プロデューサー:森重宏美、伴瀬萌 共同プロデューサー:藤並英樹、澁谷悠、アントワーヌ・モラン 撮影:四宮秀俊 照明:秋山恵二郎 音響:弥栄裕樹 美術:徐賢先 装飾:福岡淳太郎 衣裳:馬場恭子、中村祐実 ヘアメイク:那須野詞 編集:普嶋信一 カラリスト:アレクサンドラ・ポケ ダビングミキサー:グザヴィエ・トュラン キャスティング:森万由美 クルド監修:ワッカス・チョーラク 助監督:森本晶一 制作担当:藤原恵美子 音楽:ROTH BART BARON 主題歌:ROTH BART BARON 『N e w M o r n i n g』
出演:嵐莉菜、奥平大、平泉成 ほか
製作:「マイスモールランド」製作委員会 企画:分福 制作プロダクション:AOI Pro. 配給:バンダイナムコアーツ
共同制作:NHK、FILM-IN-EVOLUTION
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会/支援:一般社団法人 全日本テレビ番組製作社連盟/In association with ARTE/COFINOVA 18, with the support of Paris Region
〔2022/日本・フランス/114分/カラー/アメリカンビスタ(1:1.85)/ドラマ/デジタル〕
©2022「マイスモールランド」製作委員会
「国家を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人。埼玉県には2000人ほどのコミュニティが存在するが、クルド人が難民認定された例はこれまでないに等しい。そして、本作の企画が動きだした2017年当時より、出入国管理及び難民認定法(入管法)を巡る状況は、悪化の一途をたどっている・・・。
この現状を、17歳の少女の目線を通して描いたのは、是枝裕和監督が率いる映像制作者集団「分福」に在籍する新鋭・川和田恵真監督。イギリス人の父親と日本人の母親を持つ監督が、成長過程で感じたアイデンティティへの想いを元に、理不尽な状況に置かれた主人公が大きな問題に向き合う凛とした姿をスクリーンに焼き付け、本作を企画段階からサポートした是枝監督の『誰も知らない』(04)の系譜に連なる“日本の今”を映し出した。主演は、5カ国のマルチルーツを持ち、ViVi専属モデルとして活躍する嵐莉菜。現役高校生である彼女が、主人公サーリャが抱く複雑な感情を、デビュー作とは思えない堂々とした演技で、みずみずしく体現。また、主題歌「N e w M o r n i n g」を書き下ろしたのは、注目のアーティストROTH BART BARON。スタッフに『ドライブ・マイ・カー』(21)の撮影・四宮秀俊、美術・徐賢先らが参加。そして、日本初の栄誉となる第72回ベルリン国際映画祭/アムネスティ国際映画賞スペシャル・メンションに輝き、世界からも大きな注目を集めている。
【ストーリー】
クルド人の家族とともに故郷を逃れ、幼い頃から日本で育った17歳のサーリャ。現在は埼玉県の高校に通い、同世代の日本人と変わらない生活を送っている。大学進学資金を貯めるためアルバイトを始めた彼女は、東京の高校に通う聡太と出会い、親交を深めていく。そんなある日、難民申請が不認定となり、一家が在留資格を失ったことでサーリャの日常は一変する。

川和田恵真 プロフィール
1991年10月15日生まれ、千葉県出身。イギリス人の父親と日本人の母親を持つ。2014年から「分福」に所属し、是枝裕和監督の作品等で監督助手を務める。2022年、『マイスモールランド』で商業長編映画デビュー。第72回ベルリン国際映画祭に正式招待され、アムネスティ国際映画賞スペシャルメンションを授与された。
川和田恵真 コメント
この度は銀賞を頂き本当にありがとうございます。『マイスモールランド』を監督しました川和田恵真と申します。ちょっと講評を聞いて悔しいなという思いが沸いてきたんですけど、でも、銀賞を頂けたということを聞いた時には本当に信じられないほど嬉しい思いでしたし、プロデューサーの皆様に選んで頂けたということ、とても光栄に思っております。審査員の皆様、関係者の皆様に心から御礼申し上げます。学生時代に『裸の島』という新藤兼人監督の作品でとても感銘を受けましたので新藤兼人監督の名前の付いた賞を頂けるということもとても嬉しく思っております。ちょっと余談なのですが新藤監督が滞在されたという茅ヶ崎館という旅館の同じ部屋に滞在したことがありまして、その部屋で実は『マイスモールランド』の1行目を書きはじめました。なので、ここまで導いて頂いたのかな、と勝手に思っております。本当に嬉しい思いです。それももう4年ほど前になるんですけど、そこから企画成立させることを日本における難民というテーマを描いていることもありまして中々難しいところはあったんですがプロデューサーの伴瀬さん、森重さん、そして北原さんが本当に奔走してくれましてどうにか企画として成立して、そして今作るべきだと応援して下さった皆さんのお陰で今日ここに立たせて頂くことが出来ております。素晴らしいスタッフとキャストとの出会いがあって、皆様の本当にお一人お一人の力でこの日を迎えることが出来たと思います。この喜びを今日あまり会うことが出来ていないんですけど、またどこかの機会で分かち合うことが出来ればなと思っております。そしてこの作品で姿を映せなかったり、名前を出せなかったりするクルドの方にたくさん協力を頂いたんですけど、映画が公開しても今、その方々の状況というのはそんなに変えることが出来ていないんですが、本当に感謝しております、ということをこの場でお伝えしたいと思います。映画も公開して観客の皆様から頂いた言葉から大きな希望を頂くこともありまして一歩ずつ映画を作ることで、自分が伝えたいことを表現していけたらなと思っております。日本のスタッフとクルド人の皆さんとそして共同制作ですのでフランスのスタッフの皆さんとたくさんの出会いがあって映画を作り上げることが出来ました。本当に皆さんにこの場を借りて御礼を申し上げます。そして今、自分で観ても心揺さぶられる部分が凄くある映画を作らせて貰うことが出来たと思っていて、もっと多くの方に届けたいと思いますし、これからもそういう映画を作り続けていくことが出来ればなと強く思っております。緊張して早口になってしまったのですが、本日は本当にありがとうございました。
【金賞・銀賞 審査員会】
協会所属の現役プロデュサーによって審査委員会で授賞候補作品を選定し討議を重ね、金賞1作品、銀賞1作品を決定。
審査委員長
古賀俊輔 /ザフール
審 査 員
佐藤美由紀 / オフィス・シロウズ
永井拓郎 / RIKIプロジェクト
三宅はるえ / ブースタープロジェクト
吉村知己 / ヨアケ
金賞・銀賞 講評
《審査委員長 総評》
《 古賀俊輔 / ザフール 》
2022年度の新藤兼人賞対象作品数は201本でした。昨年より41本増えましたが、それ以上に面白い作品が多かった事が印象的でした。多くのプロデューサーの仲間から「今年は新人が豊作だ」と言われてましたが本当にその通りで、素敵な多くの作品に出会えた事が嬉しくもあった選考期間でした。当然、最終選考作品を選ぶのもひと苦労。ましてや金賞・銀賞を選ぶのはもっと困難なこと。間違いなく素晴らしい作品が多かったのだと思います。そんな中、金賞に森井勇佑監督『こちらあみ子』、銀賞に川和田恵真監督『マイスモールランド』を選出させていただきました。『こちらあみ子』はあちらこちらからすごい映画があると評判が聞こえてきてた映画でした。主人公あみ子の個性をストイックなまでに徹底的に演出し、(一歩間違えると興醒めする)ギリギリのバランスを保ったファンタジー感が絶妙でした。あみ子に会ってみたい、そう思わせる作品でした。次はぜひオリジナル作品がみたいと思います。銀賞の『マイスモールランド』も金賞に推す声がいっぱいありました。それぐらい拮抗していたのだと思います。在日クルド人家族を通して、日本社会の矛盾をまるでドキュメンタリーかのように鋭くえぐり、それでいて物語としての面白さを兼ね備えている。決して演出過多にならず、テーマが重いにもかかわらず清々しい青春映画へと昇華された作品でした。
賞から漏れましたが、最終選考に残った作品も自信を持って紹介できる作品でした。片山慎三監督『さがす』は人間の闇部分を描きながらもきっちりと作家性と商業性を持った映画でした。衝撃的なデビュー作品『岬の兄弟』からのステップアップが見事です。のん監督『Ribbon』は、特殊なコロナ禍の生活の中、美大生の憤りや再生を真っ直ぐ清々しく描かれ、特にリボンの表現が独特で、のん監督の並々ならぬセンスが感じられる映画でした。満若勇咲監督『私のはなし 部落のはなし』は最終選考唯一のドキュメンタリー作品です。“同和問題って何?”という疑問に真正面から向き合い、様々な角度から取材・インタビューを重ね、監督の執念を感じる作品でした。世の中に発表されるべきドキュメンタリー映画だと思います。加藤拓也監督『わたし達はおとな』は劇作家・脚本家である加藤監督ならではの、恋人同士の会話をきっちりと細かく繊細に演出し、まるでそこに恋人同士がいるかのような錯覚を感じさせるぐらいリアリティのある映画でした。芝居を撮るんだという覚悟が見えた作品です。早川千絵監督『PLAN75』は、高齢化社会という問題を取り込みながら、過剰にいきすぎず感傷に逃げない見事な演出力と感性が素晴らしかったです。国際共同制作の良さも随所に感じられた作品です。村山和也監督『とら男』は、未解決事件を追う引退刑事を、本人が演じるという奇想天外なアイディアを大きな武器として成立させ、フィクションとノンフィクションの混ざった世界に迷い込ませる不思議な世界観を持った映画でした。淺雄望監督『ミューズは溺れない』は、ひと夏の高校生達のゆらぎと成長を描いた青春映画。女子高校生達がそれぞれいきいきと描かれ、リアルな悩みや喜びが丁寧にきっちりと演出され、とっても好感がもてる作品でした。竹林亮監督『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』は、ほぼ会社内だけで展開するタイムループモノですが、ずっと笑ってしまう、細かいアイディアと繊細な芝居をきっちりと見せることでループでも飽きさせない映画でした。昨年最終選考に残った『14歳の栞』と全く違う作品で、監督の作品の振り幅に驚きました。
選考に惜しくも漏れた映画の中にも、多くの素敵な作品がありました。ここで紹介できなかったのが残念です。お許しください。
映画の表現は自由です。それぞれの監督の感性でアプローチし、人の心に残る映画を作り続けて欲しいと切に願ってます。
《審査員 講評》
《 佐藤美由紀 / オフィス・シロウズ 》
今回、新藤兼人賞の選考に初めて参加させて頂き、商業映画から自主映画まで、そしてドキュメンタリー作品の数々を拝見することができ、とても有意義な時間を過ごすことができたと同時に、こんなにも多くの優秀な作品の中から金賞と銀賞各1作品しか選べない!という苦悶の日々を送らせてもいただきました。その中でも新人の作品という範疇を超えた甲乙つけがたい作品がありました。森井勇佑監督『こちらあみ子』は奇跡的な存在の大沢一菜さん(あみ子)のとてつもないエネルギーに圧倒され、それはとにもかくにも演出のなせる業であると思いますが、けして安易な情緒や感傷に流れない硬質な眼差しに魅了されました。何より、商業的な諸事情に惑わされることなく純粋に「映画」そのものに向き合って作り、なおかつ観客を納得させる力がある。監督はじめ関わった方々全員に敬意を表したいと思いました。川和田恵真監督『マイスモールランド』には非常に共感できました。クルド人の少女と家族に真摯に向き合った監督の胆力に感心したと同時に、日本で生きる外国人にとって「普通」がこんなにも遠い国であるという事を思い知らされました。片山慎三監督『さがす』の人間への飽くなき探求心、早川千絵監督『PLAN75』のソリッドな知性、竹林亮監督『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』のウィットと軽快さ。どれも忘れ難い作品です。
他にも、のん監督『Ribbon』、加藤拓也監督『わたし達はおとな』、村山和也監督『とら男』、杉田協士監督『春原さんのうた』、増田嵩虎監督『間借り屋の恋』などに興味を惹かれ、ドキュメンタリー作品では満若勇咲監督『私のはなし 部落のはなし』、粂田剛監督『なれのはて』、國友勇吾監督『帆花』など新たな才能の優れた作品と出会うことができました。
《 永井拓郎 / RIKIプロジェクト 》
本年度の選考対象作品は201本と、昨年度の160本から大幅に増加しました。
理由のひとつとして文化庁の令和3年度の補正予算事業であるARTS for the future!(AFF)が挙げられます。AFF助成作品も数多く見受けられ、新人監督に対しての映画制作の助成の必要性を改めて感じた年でもありました。監督の個性が発揮された力強い作品が多く、新しい才能が日本でどんどん出てきていることを感じます。
金賞の森井勇佑監督の『こちらあみ子』は、森井監督の頭の中にあることを表現として具現化することに秀でていました。脚本、キャスティング、演出、アイデア、映像、音、すべてにおいて初監督とは思えない高いレベルに達していました。金賞に相応しい力のある作品でした。銀賞の川和田恵真監督の『マイスモールランド』は、これまでドキュメンタリーなどで取り上げられてきた入国管理局だけではなく、子供世代である女子高生を主人公にすることで、その境遇による思春期の葛藤が痛いほど響きました。映画としての瑞々しさも表現されており川和田監督にしか撮れないオリジナルな作品でした。両監督とも次回作にとても期待が膨らみます。
早川千絵監督『PLAN75』、片山慎三監督『さがす』も新人監督とはかけ離れたレベルの完成度で、金賞、銀賞を決める最終の議論は受賞作品含めたこの4作品での話し合いとなりました。早川監督、片山監督の新作をヨーロッパやアジアの方々も心待ちにしていると思います。個人的には淺雄望監督『ミューズは溺れない』も思春期の女子高生たちの心を見事に掬い取っており、ハッとする瞬間がたくさんありました。今後益々の対象作品監督の皆様のご活躍を期待しております。
《 三宅はるえ / ブースタープロジェクト 》
本年度の新藤兼人賞に審査員として参加させていただき、新しい才能と出会う機会を頂けたことに心から感謝いたします。
金賞の森井勇佑監督『こちらあみ子』は原作からの抽出ポイントと膨らまし方、主人公あみ子の嫉妬するキャスティング、クローズアップを印象的に使った画の構成、無音と歌の使い方、ファンタジー要素の描写、すべてのアンサンブルが素晴らしかったです。未だに聞こえてきます、オバケなんてないさ。
銀賞の川和田恵真監督『マイスモールランド』は監督自身のミックスルーツからの疑問や共感をこのオリジナル脚本の作品に昇華させたことに敬意を表します。みずみずしく魅力的な登場人物たちと柔らかな画と音の世界観もバランスが良く、移民・外国人労働者を扱った作品が近年国内外ともに見受けられる中、簡単に解決に至らない問題として日本の実情を美化しすぎず描いている点にも好感を持ちました。
最終選考作品には個性溢れる作品が揃い、作品本位で審査した結果10作品のうち自然と女性監督が4名入る形となったことは、映画界のジェンダー意識への小さくも大きい一歩を感じ大変嬉しく思います。片山慎三監督『さがす』は人間の暗部を描くという点は共通していながらも『岬の兄妹』から作品性商業性ともに格段のジャンプアップを感じる作品でした。また村山和也監督『とら男』は実際に起きた事件に着想を得た映画を作るにあたり、該当事件の担当刑事に出演してもらうというアイデアの斬新さとそれが故のリアリティに感服いたしました。本年度の選考対象201作品の監督陣の努力と上映まで漕ぎ着けた事実に拍手を送るとともに、皆様の次回作に期待しております。
《 吉村知己 / ヨアケ 》
対象201本の映画から最終選考作品を検討する重責はとてもスリリングでありながら、えも言われぬ高揚感に包まれた。選ばれた10本のリストは何度も見返しているが、その度に胸が打たれ涙腺が緩む。どこに出しても輝かしく、誇らしい映画たち。10人の監督各位に心から感謝を申し上げたい。
『さがす』片山監督の力量は群を抜く。この傑作はもっと興行で奮うべき。のん監督『Ribbon』はコロナ禍のしんとした静寂が印象深い。アートが不要不急と蔑ろにされることへの静かなる怒りを観た。『私のはなし 部落のはなし』は205分の尺が必要である。満若監督の風化させずに映画として世に出すことへの執念だ。『わたし達はおとな』加藤監督のみなぎる才気。俳優(登場人物)の動かし方、見せ方に類稀なる表現力を感じた。『PLAN75』早川監督が世界へ鳴らした警鐘。恐るべき映画だった。村山監督『とら男』は見逃してはいけない。実在の未解決事件を実在の担当(老)刑事を起用して描く“不安定さ”を、細部にまで行き届いたクオリティで凌駕する。ラストカットには思わず驚嘆の声が出た。淺雄監督『ミューズは溺れない』はトップシーンに監督の勝負を感じ、二人の主人公が輝き続けた。(僭越ながら)淺雄監督の不器用さや世界観のふらつきが生む隙や余白に不思議な心地よさがあり、個人的に強く最終選考に推した愛すべき映画。竹林監督『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』は一番のダークホース。楽しかった!このチームには次なるエンタテインメントをいち早く生み出して欲しい。
さて、金賞受賞の森井監督『こちらあみ子』、銀賞受賞の川和田監督『マイスモールランド』の評価軸は審査員間でほぼブレがなく詳細は他の審査員各位にお任せしたいが、2022年にこの二本に出会えたことが何より喜ばしい。
プロデューサー賞
『死刑にいたる病』
劇場公開日:5月6日
監督:白石和彌 製作:藤本款、小坂恵一、和田佳恵 企画・プロデューサー:深瀬和美 プロデューサー:永井拓郎、堀慎太郎 原作:櫛木理宇 『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫刊) 脚本:高田亮 撮影:池田直矢 美術:今村力、新田隆之 衣装:高橋さやか 編集:加藤ひとみ 音響効果:柴崎憲治 音楽:大間々昂 照明:舘野秀樹 録音:浦田和治 装飾:多田明日香 ヘアメイク:有路涼子 VFXスーパーバイザー:朝倉怜 撮影効果:実原康之 助監督:渡辺圭太 出演:阿部サダヲ、岡田健史(現・水上恒司)、岩田剛典、中山美穂 製作:「死刑にいたる病」製作委員会(クロックワークス、東北新社、テレビ東京) 制作プロダクション:RIKIプロジェクト 配給:クロックワークス
〔2022/日本/129分/カラー/シネマ・スコープ(1:2.35)/5.1ch〕
©2022映画「死刑にいたる病」製作委員会
『死刑にいたる病』
プロデューサー
深瀬和美
Kazumi FUKASE
ミステリー作家・櫛木理宇の最高傑作と謳われる同名小説を『孤狼の血』『凶悪』の白石和彌監督が映画化。
阿部サダヲ、岡田健史、岩田剛典、中山美穂など日本を代表する役者陣を携え、息つく暇ない心理戦の応酬から目が離せない新たなマスターピースを生み出した。
一件の冤罪事件を巡り二転三転する真実、深まる謎――誰も予測できないラストがあなたを待ち受ける。
【ストーリー】
史上最悪の連続殺人鬼からの依頼―
それは一件の冤罪証明だった。
ある大学生・雅也のもとに届いた一通の手紙。
それは世間を震撼させた稀代の連続殺人鬼・榛村からだった。
「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人が他にいることを証明してほしい」
過去に地元のパン屋で店主をしていた頃には信頼を寄せていた榛村の願いを聞き入れ、事件を独自に調べ始めた雅也。
しかし、そこには想像を超える残酷な事件の真相があった―。

深瀬和美 プロフィール
1998年株式会社ロックウェルアイズに入社。以降映画宣伝会社を経て2002年に株式会社クロックワークスに入社。宣伝プロデューサーとして洋画・邦画の宣伝に携わりながら2007年『アフタースクール』で初めてアソシエイトプロデューサーとして制作に参加。『鍵泥棒のメソッド』(12年)でプロデューサーデビュー。以降、新人監督のオリジナル脚本作品を中心に、宣伝的な視点を大切にしながら、『夏の終り』(13年)、『先生と迷い猫』(15年)、『湯を沸かすほどの熱い愛』(16年)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17年)、『ねことじいちゃん』(19年)、『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』(19年)、『決戦は日曜日』(22年)において制作と宣伝のプロデューサーを務めている。
深瀬和美 コメント
本当にありがとうございます。森井監督、川和田監督、本当におめでとうございます。
今日は私がこのような名誉ある賞を頂いて、このような場所に立つということを夢にも思っていなかったので本当に驚きましたし、この業界の先輩方が私の存在と仕事を知っていて下さったことに驚きと本当に背筋が伸びる思いです。私はもともと宣伝部出身というか今でも宣伝の業務をやっているんですけれども、制作の方の仕事に関わるきっかけになったのはPFFスカラシップ作品の内田けんじ監督『運命じゃない人』という作品です。この作品をどうしても自分たちで配給して宣伝したいんだということを当時若手の宣伝皆で上に掛け合ってやらせて頂いて、今、弊社の代表の藤本が、藤本はもっと先を見ていて、内田けんじ監督の次の作品を絶対に身内で作りたいという熱い思いを持って、ここに巻き込まれるような形というか、本当に何も知らないまま制作というものに関わっていくことになりました。藤本共に本当に経験もなく手探りだったんですけれども、当時シネバザールの皆さん等、監督も我々に託して下さって映画を作り上げることが出来ました。ここから制作という仕事にどんどん関わっていくことになったんですけれども、うちの会社として新人監督のオリジナル脚本の作品を作るということを一つの内容にしてこれまで様々な監督や制作会社の皆様に本当に色んなことを教えて頂きながら、「大丈夫かな?」と心配ございましたら、と思うんですけれども、このような賞を頂ける『死刑にいたる病』を作れるまでになんとか辿り着きました。本当に私がここに立っていられるのはこれまで関わった監督、制作会社の皆さん、もちろん弊社代表の藤本に、熱意があれば何でもできる、ということを教えて貰い、時には怒られながらも最終的には私の意思を尊重して応援して下さったお陰だと思っております。このような場でないと真剣に聞いてくれないのでこのような場で申し訳ないですが御礼を言わせて下さい。本当にありがとうございました。『死刑にいたる病』なんですけれども、この作品は『彼女がその名を知らない鳥たち』でご一緒した白石和彌監督に監督としての手腕はもちろんのこと、その人柄に魅了されまして、まるで『死刑にいたる病』の榛原のようにうちの会社のメンバー皆を魅了する方だったので絶対もう一度仕事をしたいと思っておりました。原作の先生も白石監督なら、と原作を預けて下さったので本当に白石監督が居なければこの作品は成立しなかったと思います。本当に皆さんが苦労されたと思いますがコロナで1年延期になるなどありましたが監督を中心にスタッフ・キャストの皆さんが高いモチベーションを保ったまま素晴らしいパフォーマンスをしてくださって、作品を作り上げてくれました。また色んなトラブルを一緒に戦って乗り越えて頂いたRIKIプロジェクトの永井さん、堀さん、そして苦労があったと思いますが何も言わず我々に任せて下さった製作委員会の東北新社の皆さん、テレビ東京の皆さん、本当にありがとうございました。出来上がった作品をまたこのような我々も想像もしないヒットに導いてくれたのは弊社の宣伝営業チームが一丸となって頑張ってくれたお陰です。色んなトラブルに巻き込まれる度に、私は結構ネガティブな人間なので、呪われているんじゃないかなぁと思っていたんですけど、そこはうちの宣伝チームが“この作品、これだけ色んなものがあたってくるから絶対何か持っている、あたるよ”と超絶ポジティブな励ましをくれて本当に頑張ってくれました。みんなのお陰です。クロックワークス、一丸となると結構いい仕事しますので皆様、何かある時には思い出して下さると嬉しいです。今後、この賞に恥じないようインディペンデントの精神を持って挑戦し続ける作品を作っていきたいと思っております。今後も宜しくお願いします。今日は本当にありがとうございました。
【プロデューサー賞選考委員会】
協会加盟社から推薦を募り、理事で構成される選考委員会で、討議を重ね、受賞者を決定。
プロデューサー賞 講評
「新藤兼人賞」プロデューサー賞審査委員会(協同組合日本映画製作者協会 理事)
深瀬和美様、プロデューサー賞受賞おめでとうございます。
企画立案、監督選定、キャスティング、委員会組成、宣伝、すべてに渡り幹事会社のプロデューサーとして深く関わり、白石和彌監督『死刑にいたる病』で興行収入10億円と突破したことはこの興行不況の中の一筋の光でした。
また中野量太監督『湯を沸かすほどの熱い愛』、白石和彌監督『彼女がその名を知らない鳥たち』等、尖った作品でスマッシュヒットを世に送り出している業績が高く評価されました。
ご自身が心からやりたい企画を、賞レースに絡んでくる作品として完成させ、且つ宣伝プロデューサーとしての経歴をいかんなく発揮して、制作宣伝から興行時の宣伝プラン、アイデアも豊富で、作品性と興行を両立されている稀有なプロデューサーです。
心より敬意を評し、また次回作以降、どの監督とどんな尖った作品を企画しているのか、あっと驚く作品を期待しております。
過去受賞結果
年 度
金 賞
銀 賞
プロデューサー賞受賞者
1999年
けんもち聡 『いつものように』
1998年
荒井晴彦 『身も心も』
1997年
松井久子 『ユキエ』
是枝裕和 『幻の光』
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